税理士法人のkintone導入事例|自社構築で挫折した「顧客・案件・売上」の一元管理をプロの設計で実現
まず聞かせてください。こんな状況、心当たりありませんか?
- kintoneを導入したのに、気づけば重要な情報はエクセルで管理している
- 顧客アプリと案件アプリを作ったが、うまく紐付けられず「二度手間」になっている
- 相続人の情報をどこにどう登録すればいいか迷い、入力がバラバラになっている
- 案件が完了しても売上データへの反映が手動で、請求漏れや入金確認ミスが起きている
- 「次に何をすべきか」が職員によってバラバラで、進捗管理が口頭確認頼みになっている
もしひとつでも「あるある」と感じたなら、この記事はあなたのために書きました。
税理士法人のkintone導入事例——相続税申告に強いD所長(50代)の場合
D所長は、相続税申告を強みとする税理士法人を営む50代の所長です。職員は5〜6名。顧問先への申告業務に加え、相続案件の相談が年々増えており、「管理の仕組みをそろそろ整えなければ」と感じていました。
ITリテラシーは高い方で、kintoneの存在を自分で調べ、ライセンスを契約し、顧客アプリと案件アプリを自分たちで作り上げました。意欲もあり、実行力もある。それは間違いありませんでした。
ところが、しばらく運用してみると、問題が続々と出てきました。
「相続案件って、登場人物が多いんです。被相続人がいて、依頼してきた相続人がいて、他の相続人もいる。それをkintoneでどう管理すればいいか、自分たちでは答えが出なくて」
顧客アプリに被相続人を登録すべきか、依頼者を登録すべきか。相続人は一件のレコードにまとめるべきか、一人ずつ登録すべきか。試行錯誤するうちに、同じ人物が複数のアプリに重複登録され、「どのデータが正しいかわからない」という状態になっていきました。
案件の進捗管理も悩みの種でした。相続税申告・確定申告・法人税申告とそれぞれ業務フローが異なるにもかかわらず、ひとつの「案件アプリ」にまとめようとしたことで、どの申告種別の案件がどこまで進んでいるのかが把握しにくくなっていました。
売上管理も課題でした。案件アプリと請求管理を別々に作ったものの、連携がうまくいかず、案件完了後に手動で請求アプリへ転記する作業が残ってしまいました。
「転記を忘れて請求が遅れたことが何度かあって。件数が増えてくると、エクセルの方がまだ管理しやすいかなって思い始めてしまって……」
自分で作ったシステムへの信頼が揺らいだとき、人はエクセルに戻ります。D所長の事務所でも、重要な管理業務がじわじわとエクセルへ回帰しつつある状態でした。
このD所長の事務所に、私たちはkintoneの再設計・導入支援を行いました。
弊社では90分の無料相談で内容をお伺いし、それをもとに御社専用のデモアプリを作成させていただきます。
無料で1週間試していただき、ご検討いただけるので導入リスクも少ないのが弊社のメリットです!

税理士法人の「自社構築の限界」——なぜ頑張っても使いこなせないのか
D所長のように、自社構築に挑戦する方は意欲もリテラシーも高い方がほとんどです。それでも運用が止まってしまうのは、能力の問題ではありません。
kintoneは「自由に作れる」ツールである反面、正しいデータ構造で設計しないと、使えば使うほど歪みが蓄積されます。
特に税理士法人では、こんな壁にぶつかります。
「顧客アプリと案件アプリ、どちらに何を入れるべきかわからない」 「ルックアップや関連レコードの設定が難しくて、アプリが繋がらない」 「申告種別ごとに業務フローが違うのに、一つのアプリにまとめようとして破綻した」
これらは、kintoneの使い方の問題ではなく、業務設計とシステム設計を橋渡しする専門知識の不足によるものです。自社構築に挑戦したこと自体は正しい選択でした。あとは設計だけプロに任せれば、今あるデータを活かしながら正しく動くシステムに生まれ変わります。
そもそもkintoneとは?税理士法人との相性がいい理由
kintoneは、サイボウズ社が提供する業務アプリ作成ツールです。
「アプリ」と聞くと難しそうに聞こえますが、要するに「自社の業務に合わせて作れるデータベース+管理画面」です。エクセルで管理していた顧客台帳・案件進捗・売上管理を、もっと見やすく、ミスなく、複数人で共有できるようにしたもの、といえば近いかもしれません。
税理士法人との相性が特によい理由は、アプリ間のルックアップ連携にあります。顧客情報・案件情報・売上情報を別々のアプリで管理しながら、必要なときに自動で紐付けられる。相続税申告のように「一つの案件に複数の人物が関わる」業務では、この連携設計が正確にできるかどうかが、システムの使い勝手を大きく左右します。
税理士法人のkintone——エクセル管理との違いはここ
「エクセルの方がまだ使いやすい」と感じているなら、それはkintoneの設計が正しくできていないサインかもしれません。正しく設計されたkintoneとエクセルを比べるとこうなります。
| 比較項目 | エクセル管理 | kintone(プロ設計) |
|---|---|---|
| 顧客・案件・売上の連携 | × バラバラに管理 | ◎ ルックアップで自動連携 |
| 複数人での同時更新 | × 上書きトラブルが発生 | ◎ リアルタイムに同時更新 |
| 相続人など複雑な管理 | △ 表が複雑になりがち | ◎ 関連レコードで整理 |
| 申告種別ごとの進捗 | △ 把握しにくい | ◎ カルテ形式で一目瞭然 |
| 案件完了→請求連携 | × 手動転記が必要 | ◎ ステータス変更で自動生成 |
| 業務フローの標準化 | × 属人化しやすい | ◎ プロセス管理で統一 |
エクセルの最大の問題は「複数人で使うと壊れやすい」こと、そして「情報が繋がらない」ことです。kintoneは正しく設計されていれば、これらの問題をまとめて解決できます。
「自社構築したkintoneがエクセルより使いにくい」と感じているなら、設計を見直すことで状況は大きく変わります。
プロが手を入れた「3つの設計ポイント」
1. データ構造の再設計——「主」と「従」を明確にする
再設計でまず行ったのは、アプリを作ることではなく**「誰が主で誰が従か」を整理すること**です。
相続税申告の業務では、設計の基本をこう整理しました。
- 顧客アプリに依頼者(窓口となる相続人)の基本情報を登録
- 案件アプリに被相続人情報・申告期限・担当者・進捗ステータスを登録し、顧客アプリとルックアップで連携
- 相続人管理アプリに相続人ごとの情報(続柄・書類提出状況)を登録し、案件アプリと関連レコードで紐付け
- 売上・請求アプリは案件完了時に自動でデータが連携される設計
「どこに入力すればいいかわからない」という職員の迷いが、この構造によってなくなります。入力する場所が明確になると、データの重複も不整合も起きなくなります。
2. 「○○カルテ」形式の案件管理——申告種別ごとに進捗を可視化する
今回の導入で特に現場から好評だったのが、申告種別ごとに専用の「カルテ」アプリを設けた設計です。
「相続税申告カルテ」「確定申告カルテ」「法人税申告カルテ」——それぞれ業務フローや管理すべき情報が異なるため、ひとつの案件アプリにまとめるのではなく、種別ごとに専用アプリを設計しました。
各カルテアプリには、その申告種別に特化した進捗ステータス・チェック項目・期限管理が組み込まれています。たとえば相続税申告カルテであれば「相続人調査中→財産評価中→申告書作成中→所長確認→顧客送付→申告完了」というフローが、kintoneのプロセス管理としてそのまま再現されています。
職員は担当する案件のカルテを開けば、「今どのフェーズにあるか」「次に何をすべきか」が一目でわかります。口頭で進捗を確認する手間がなくなり、所長も全案件の状況をダッシュボードで一括把握できるようになりました。
「カルテって言葉がしっくりきたんです。お客様ごとに、その案件の状態が全部記録されているイメージ。職員にも説明しやすかった」(D所長)

3. 案件から売上へのスムーズな連携——請求漏れをゼロにする
税理士法人における「見えない損失」のひとつが、請求漏れです。案件が完了したにもかかわらず、売上アプリへの転記を忘れる。入金確認が漏れて未収のまま時間が経つ。
プロの設計では、各カルテアプリのステータスが「申告完了」に変わった瞬間に、売上・請求アプリへデータが自動連携される仕組みを構築しています。顧客名・案件名・報酬額が自動で引き継がれ、あとは請求日と入金確認を入力するだけ。「案件は終わったのに、請求した?」という確認作業がなくなります。
kintone再設計で変わった「3つのこと」
1. 「探す時間」がなくなった
再設計後のkintoneでは、顧客アプリを開いた一画面に、過去の申告履歴・現在進行中の案件・請求状況・入金状況がすべて表示されます。「あの顧客の去年の相続案件、どうなってたっけ」「今年の確定申告、今どのフェーズだったか」——これらの確認に費やしていた時間が、ゼロになります。
2. 「二重入力」から解放された
顧客名・住所・連絡先を、顧客アプリ・各カルテアプリ・請求書と何度も入力していた作業が、一度の入力で完結します。ルックアップで自動的に引き継がれるため、転記ミスも発生しません。「入力が面倒だから後でまとめてやろう」という先送りがなくなり、データが常に最新の状態に保たれます。
3. 本来の業務に集中できるようになった
データ管理の不安から解放されたとき、税理士法人のスタッフが本来集中すべき仕事——相続相談の質を上げること、顧客への丁寧なコミュニケーション、税務コンサルティングの深化——に向き合える時間が増えます。
D所長の場合、再設計後こう変わった
再設計から数ヶ月後、D所長はこう話してくれました。
「顧客画面を開けば、その人の全部がわかるようになった。相続税申告カルテも確定申告カルテも、全部そこから辿れる。以前は3つのファイルを開いてようやく把握していたのが、1画面で済むようになった」
請求漏れもゼロになりました。各カルテの申告完了ステータスを入れると自動で請求データが生成されるため、「転記し忘れ」が構造的に起きなくなったからです。
「正直、自分で作ったときは”kintoneってそんなに大したことないな”と思っていたんです。でも今は、設計次第でこんなに変わるのかと。もっと早く頼めばよかった」

こんな税理士法人に特におすすめです
✔ 相続税申告・確定申告・法人税申告など複数の申告種別を扱っており、種別ごとの進捗管理が煩雑になっている 申告種別ごとのカルテ形式で、それぞれの業務フローに最適化した進捗管理が実現できます。
✔ 相続税申告を扱っており、被相続人・相続人の複雑な紐付け管理に困っている 関連レコードとルックアップの正しい設計で、複雑な人間関係もkintone上で正確に再現できます。
✔ kintoneを自社構築したが、アプリが繋がらず「二度手間」になっている 今あるアプリとデータを活かしながら、設計だけを正しく直す再構築支援が可能です。
✔ 案件完了後の請求・入金管理が手動で、漏れやミスが起きている 各カルテアプリのステータスと売上アプリの自動連携で、請求漏れを構造的になくせます。
✔ 業務フローが属人化していて、職員によって進め方がバラバラ プロセス管理の設定で、「次に何をすべきか」が全員に統一された状態を作れます。
✔ 職員が増えてきて、情報共有とデータ管理の仕組みを整えたい kintoneの正しい設計は、チームが大きくなるほど効果を発揮します。
税理士法人のkintone導入・再設計の流れ
STEP 1:ヒアリング(現状の整理) 今どんな業務をどうやって管理しているかをお聞きします。自社構築済みの方は現在のアプリを拝見した上で、何が問題でどう直せばいいかをお伝えします。所要時間は1〜2時間程度。
STEP 2:設計(データ構造と業務フローの整理) 「主と従」を整理したリレーション設計と、申告種別ごとのカルテアプリ設計・プロセス管理の設定を行います。ここが今後の運用の土台になる最重要工程です。
STEP 3:構築・テスト(実際に使えるかを確かめる) 実際の案件データを使って動作確認します。「ここが使いにくい」「この項目も欲しい」という声を反映しながら調整します。
STEP 4:運用開始・フォロー 本番運用を開始します。最初の数週間は疑問や迷いが出やすいので、フォローアップのサポートがあると安心です。全体のスケジュールは1〜2ヶ月程度が目安です。
「自分で頑張って作ったのに」と感じている方へ
kintoneの自社構築に挑戦した方は、相当な時間と労力を注いでいます。その努力を否定したいわけではありません。
ただ、設計の専門知識なしに「正しいデータ構造」を作ることは、建築の知識なしに設計図を引くようなものです。住めなくはないけれど、長く使うと歪みが出てくる——kintoneの自社構築の限界は、まさにここにあります。
プロの支援を受けることは「負けを認める」ことではありません。自分たちが作ったものを、正しく動かすための選択です。すでにkintoneのライセンスをお持ちの方は、今すぐ活用できる状態にあります。あとは設計を正しく直すだけ。その一手間が、業務のすべてを変えます。
まとめ
- 税理士法人のkintone自社構築が止まる原因はリテラシーではなく「データ設計の専門知識の不足」
- エクセルより使いにくいと感じているなら、設計を見直すことで状況は大きく変わる
- 申告種別ごとに「相続税申告カルテ」「確定申告カルテ」などのカルテアプリを設けることで、種別に最適化された進捗管理が実現する
- 相続税申告の複雑な人間関係も、「主と従」を明確にしたリレーション設計で正確に管理できる
- 各カルテアプリの申告完了ステータスと売上データの自動連携で、請求漏れ・入金確認ミスをゼロにできる
- 業務フローのプロセス設計で、職員が「次に何をすべきか」迷わない環境が整う
- 自社構築済みのデータとアプリを活かしながら再構築できる
kintoneの自社構築に限界を感じている税理士法人の所長の方は、ぜひ一度ご相談ください。現在のアプリを拝見した上で、何が問題でどう直せばいいかを、まず無料ヒアリングでお伝えします。
