解体業1人会社のkintone導入事例|手書きメモとどんぶり勘定から脱却し「案件・外注・収支」をスマホ1台で完結させたDX事例
まず聞かせてください。こんな状況、心当たりありませんか?
- 案件の情報が手書きのメモに散らばっていて、事務所に戻らないと確認できない
- 下請け・外注スタッフに支払った費用を案件ごとに把握できておらず、「結局この仕事は儲かったのか」がわからない
- 複数の現場が同時進行していても、どの案件が今どこまで進んでいるかを頭の中だけで管理している
- 見積書や請求書はエクセルで作れるが、それ以外の情報管理はすべてアナログのまま
- 案件数が増えてきて、そろそろ管理の仕組みを整えないとヤバいと感じている
もしひとつでも「あるある」と感じたなら、この記事はあなたのために書きました。
解体業1人会社のkintone導入事例——F社長(30代)の場合
F社長は、解体業を営む30代の代表取締役です。社員はゼロ。自分1人で営業・現場管理・事務をすべて回しながら、外注先や下請けスタッフに仕事を振るスタイルで事業を続けてきました。
会社を立ち上げた頃は案件数も少なく、手書きのメモと頭の中だけで十分でした。見積書と請求書はエクセルで作成しており、「ITは苦手ではないけど、特別詳しいわけでもない」という感覚でした。
ところが案件数が増えるにつれ、「なんとかなっていた管理」があちこちで限界を迎え始めます。
「現場から電話があっても、手元にメモがない。事務所に戻るまで詳細を確認できないから、その場でちゃんと答えられない。何度か信用を失いそうになって、これはまずいと思った」
特に困っていたのが、外注・下請けスタッフへの支払い管理でした。複数の案件が並行して走っている中で、誰にいくら払ったかを案件と紐づけて把握できていない。月末に請求書がまとめて届いて初めて「今月こんなに出てたのか」と驚く、いわゆるどんぶり勘定の状態でした。
「売上はなんとなく把握できていた。でも利益がどのくらいか、どの案件が儲かっているかは、正直わかってなかった。怖くて計算もしてなかったかもしれない」
スケジュール管理も悩みの種でした。複数の現場が重なると、「あの案件、今日は誰が入るんだっけ」「この解体、廃材の引き取り手配はしたか」という確認事項が頭の中をグルグルと回り続ける。メモを見返そうにも、どこに書いたかわからなくなっていました。
このF社長の会社に、私たちはkintoneを導入しました。
解体業「1人会社の限界」——なぜメモとエクセルでは追いつかなくなるのか
F社長のように、長年のアナログ管理で事業を成長させてきた方は、実務能力も判断力も高い方がほとんどです。それでも管理が追いつかなくなるのは、能力の問題ではありません。
1人会社のアナログ管理が限界を迎える構造はシンプルです。案件数が増えると、情報の量は人数分ではなく「案件数×関係者数×工程数」で膨らみます。ある段階を超えると、人間の頭とメモ帳では物理的に追いきれなくなります。
解体業では、特にこんな壁にぶつかります。
- 外注・下請けスタッフのコストを案件ごとに管理しないと、収支が見えない
- 複数現場が重なると、スケジュールと進捗の確認だけで1日の時間が消える
- 現場にいる間、事務所のメモや書類にアクセスできない
これらは「もっと頑張れば解決できる」問題ではありません。仕組みで解決するしかないのです。
そもそもkintoneとは?解体業・建設業との相性がいい理由
kintoneは、サイボウズ社が提供する業務アプリ作成ツールです。プログラミングの知識は不要で、自社の業務に合わせた管理画面を作れます。
解体業・建設業との相性が特によい理由は2つあります。
ひとつは「スマホで完結できる設計が自由にできる」こと。現場にいながら案件の詳細を確認したり、外注スタッフの稼働を記録したりする操作が、スマホのタップだけで完結します。事務所のパソコンに縛られる必要がなくなります。
もうひとつは「バラバラな情報を一か所で繋げられる」こと。案件情報・外注コスト・スケジュール・収支——これらをkintone上で紐付けることで、「この案件、今どんな状態か」が1画面で把握できるようになります。
解体業のkintone——アナログ管理との違いはここ
| 比較項目 | メモ+エクセル管理 | kintone導入後 |
| 案件情報へのアクセス | × 事務所でしか確認できない | ◎ スマホでいつでも確認可能 |
| 外注コストと案件の紐付け | × 把握できず収支不明 | ◎ 案件ごとに自動集計 |
| 複数案件のスケジュール管理 | × 頭の中だけで管理 | ◎ 今日の予定が一目でわかる |
| 廃材・許可証などの書類管理 | × 紙が散らばる | ◎ kintoneに集約 |
| 案件の進捗確認 | × 電話・口頭に頼る | ◎ ステータスで可視化 |
メモとエクセルの組み合わせは、情報が「点」のまま散らばっています。kintoneはこれらを「線」として繋ぎ、どこにいても使えるデータへと変えます。
プロが設計した「3つの解決策」
1. 案件管理アプリ——現場にいながら「全部わかる」を実現する
F社長にとって最も重要だったのは、「事務所に戻らなくても必要な情報にアクセスできること」でした。
案件管理アプリには、案件名・発注元・現場住所・工期・担当する外注スタッフ・廃材処理業者・関連書類(許可証・写真)を一か所に集約しました。現場からスマホで開けば、その案件に関するすべての情報が1画面で確認できます。
F社長がもともとエクセルで管理していた見積書と請求書も、案件アプリと紐付ける形で連携しています。「見積→受注→施工中→完了→請求済み→入金確認」というステータスを設けることで、案件が今どのフェーズにあるかが一目でわかります。
「現場で電話が来ても、スマホを開けばすぐ答えられる。以前は曖昧なことしか言えなかったのが、今はすぐ確認できる。それだけでお客さんへの信頼感がぜんぜん違う」
2. 外注コスト管理——案件ごとの収支を「見える化」する
どんぶり勘定からの脱却で最も効果を発揮したのが、外注・下請けスタッフのコストを案件と紐づける設計です。
外注スタッフが稼働した日付・作業内容・支払い金額を案件アプリに紐付けて記録することで、案件ごとのコストがリアルタイムで集計されます。売上(見積もり金額)と外注コストの差分が、そのまま粗利として自動的に表示されます。
月末に請求書を受け取って初めて気づく、という状態がなくなります。稼働のたびにデータが蓄積されるため、案件が完了した時点で「この仕事はいくら残ったか」がすぐにわかります。
「儲かっているかどうかが見えるようになった。怖くて見ていなかった数字が、今は毎朝確認することが楽しみになっている」
3. スケジュール管理——「今日誰がどこにいるか」を一画面で把握する
複数案件が並行して走るようになると、「今日どの現場に誰が入るか」の管理が一番のストレスになっていました。
kintoneのカレンダービューを活用し、案件ごとのスケジュール・外注スタッフのアサイン・廃材引き取りの手配日を一画面で管理できるようにしました。スマホからでも確認・更新ができるため、現場移動の合間に翌日のスケジュール調整が完結します。
「あの件、手配した?」という確認電話がなくなり、抜け漏れのリスクも大きく減りました。

kintone導入で変わった「3つのこと」
1. 「事務所に戻らないとわからない」がなくなった
案件に関するすべての情報をkintoneに集約したことで、現場・移動中・打ち合わせ先——どこにいても必要な情報にアクセスできるようになりました。手書きのメモを探す時間も、「どこに書いたっけ」と記憶を辿る時間も、ゼロになりました。
2. 収支が「リアルタイム」で見えるようになった
外注コストを案件と紐づけて記録するだけで、粗利が自動集計されます。月末になって初めて「今月いくら出ていったか」を確認するどんぶり勘定から、案件が進むたびにリアルタイムで収支が更新される状態へ。「どの案件が儲かっているか」が、データで判断できるようになりました。
3. 頭の中がスッキリした
「あれ、確認したっけ」「誰かに連絡すること残ってたっけ」という漠然とした不安が、kintoneに情報が入ることで解消されます。すべてをkintoneに入れれば頭の中で管理しなくていい——この安心感が、1人で会社を回している方にとって最も大きな変化かもしれません。

F社長の場合、導入後こう変わった
導入から数ヶ月後、F社長はこう話してくれました。
「最初はスマホでちゃんと使えるか不安だった。でも思ったよりぜんぜん難しくなかった。今は朝起きてコーヒー飲みながら案件の進捗を確認するのが習慣になっている。以前は事務所に行かないと何もわからなかったのに」
収支の見える化も、想定以上の効果がありました。
「案件ごとに粗利が出るようになって、初めて『この仕事は思ったより薄い』って気づいた。同じ規模の案件でも、外注の組み方次第で利益がぜんぜん違う。それが見えると、次の見積もりの精度が上がる」
こんな解体業・建設業に特におすすめです
✔ 社員なし・外注中心で仕事を回しており、外注コストの管理が追いついていない
案件ごとに外注コストを紐づけるだけで、収支管理がリアルタイムで完結します。どんぶり勘定から脱却し、「儲かる仕事の構造」が見えるようになります。
✔ 複数の現場が同時に走っており、スケジュール管理を頭の中だけでやっている
カレンダービューで案件・担当者・手配状況を一画面に集約することで、抜け漏れのリスクが大きく下がります。
✔ 現場にいる間、事務所の情報にアクセスできず不便を感じている
スマホで全情報にアクセスできる設計にすることで、「事務所に戻らないとわからない」がゼロになります。
✔ ITは苦手ではないが、複雑なシステムを使いこなす自信はない
kintoneはスマホ操作を前提に設計できます。「タップするだけ」「選ぶだけ」で完結する画面にすれば、ITが苦手な方でも無理なく使い続けられます。
✔ 案件数が増えてきて、これまでのやり方では追いつかなくなってきた
今がちょうど仕組みを整えるタイミングです。案件数が増えてからでは、データ移行の手間も増えます。
解体業のkintone導入の流れ
STEP 1:ヒアリング(現状の整理) 現在どんな方法で何を管理しているかをお聞きします。使っているエクセルや手書きのメモの種類も確認します。所要時間は1〜2時間程度。
STEP 2:設計(何をkintoneに入れるかを決める) 「まず案件管理だけ」「外注コスト管理から始める」と優先順位を絞ることで、無理なく使い始められる設計にします。スマホ操作を前提にした画面設計を行います。
STEP 3:構築・テスト(実際に使えるかを確かめる) 実際の案件データを使って動作確認します。「ここが使いにくい」「この項目も欲しい」という声を画面に反映します。
STEP 4:運用開始・フォロー 本番運用を開始します。最初の数週間は操作に慣れるまでのサポートがあると安心です。全体のスケジュールは1〜2ヶ月程度が目安です。
「仕組みを作る時間なんてない」と感じている方へ
1人で会社を回している方ほど、「仕組みを整えたいけど、そのための時間がない」と感じているはずです。現場・営業・事務を全部こなしながら、新しいシステムを導入する余裕なんてない——その感覚は正直だと思います。
ただ、仕組みがない状態で案件数だけが増えていくと、ある時点で必ず限界が来ます。そのとき「やっぱり整えておけばよかった」と感じるのは、多くの経営者が通る道です。
kintoneの導入支援では、「社長が考える時間を最小限にする」ことを意識しています。ヒアリングで現状をお聞きし、設計はこちらで提案します。社長にやってもらうのは「これで合ってますか?」の確認だけ。仕組みを作る部分はプロに任せて、社長は本来の仕事に集中してください。
まとめ
- 解体業の1人会社でもkintoneを導入することで、手書きメモとどんぶり勘定から完全に脱却できる
- 外注コストを案件と紐づける設計で、案件ごとの収支がリアルタイムで自動集計される
- スマホ完結の設計にすることで、現場・移動中・どこにいても全情報にアクセスできる
- 複数案件のスケジュール・外注スタッフのアサインをカレンダー一画面で管理できる
- 案件ステータス管理で「今どの仕事がどこまで進んでいるか」が常に把握できる
- 導入は優先順位を絞って小さく始めるのがコツ。1〜2ヶ月で本番運用まで到達できる
解体業・建設業のkintone導入に興味が出てきた方は、ぜひ一度ご相談ください。現在の管理方法をお聞きした上で、最適な設計をご提案します。まずは無料ヒアリングからどうぞ。
大阪府の補助金を活用してkintoneを導入しませんか?
kintoneの導入費用は、大阪府が実施する「令和8年度 利益率向上・賃上げ支援事業」の補助金を活用できる可能性があります。物価高騰の厳しい環境のなか、賃金引き上げに向けて利益率の向上に取り組む府内中小企業を幅広く支援する制度です。
補助金の概要
正式名称 令和8年度 利益率向上・賃上げ支援事業
補助金上限 500万円(補助率 2/3)
採択者数 600者程度
申請期間 2025年5月25日(月)〜 6月26日(金)17:00まで
対象者 大阪府内に本店または主たる事業所を有する中小企業者等(1年後に給与支給総額を2.0%以上引き上げることを目標とし、目標値を従業員に宣言した者)
kintone導入によるシステム構築費・開発費・専門家経費・外注費などは補助対象経費に含まれます。生産性向上や売上拡大を通じて利益率を高める取り組みとして、kintoneによる業務効率化・情報一元化はまさにこの補助金の趣旨に合致します。
採択者のうち100者には専門家による伴走支援(無料・約6か月)も実施されます。kintone導入後の定着・活用まで手厚くサポートを受けられる点も、この補助金の大きな魅力です。
【注意事項】
・本補助金は補助事業完了後の精算払いです。
・申請は事業者自身が行う必要があります(外部支援者による代理申請は不可)。
・他の補助金との重複受給は認められません。
・詳細は必ず募集要項をご確認ください。
補助金の活用も含めたkintone導入をご検討の方は、お気軽にご相談ください。申請締切(6月26日)が迫っておりますので、ご興味のある方はお早めにご連絡いただけますと幸いです。
