M&A・事業承継仲介業のkintone導入事例|川上業務から稟議書まで——テレアポのリード育成・商談記録・ワークフローをkintone一本に集約した営業DX事例

まず聞かせてください。こんな状況、心当たりありませんか?

  • テレアポでリードを育てているが、誰がいつ何を話したかの記録がメモレベルで統一されておらず、引き継ぎや再アプローチに支障が出ている
  • 顧客情報・アポイント履歴はExcel、スケジュール管理はサイボウズOffice、ワークフロー承認も別のツール——情報が複数システムに分散している
  • 商談後の内容を文字に起こして記録する作業に時間がかかりすぎており、営業が本来集中すべき活動を圧迫している
  • 案件が成約フェーズに近づいたとき、過去のやり取りの全体像をスピーディに把握できず、引き継ぎや社内確認に時間がかかっている
  • 稟議書や社内承認のフローが紙やメールベースで非効率なままになっている

 

もしひとつでも「あるある」と感じたなら、この記事はあなたのために書きました。

M&A・事業承継仲介業のkintone導入事例——S担当者(40代)の場合

S担当者は、M&A仲介および事業承継に特化したコンサルティング会社の40代の営業担当者です。売り手企業・買い手企業それぞれへのアプローチから、マッチング・交渉・クロージングまで長期にわたる案件管理が求められるこの業界で、情報管理の課題は以前から積み重なっていました。

導入前の管理体制はツールの寄せ集めでした。テレアポで獲得したリードのアポイント履歴と顧客情報の管理はExcel、スケジュール管理と社内ワークフローはサイボウズOffice——それぞれが独立して動いており、情報を横断して確認するためには複数のツールを行き来する必要がありました。

 

「Excelのリード管理が特にひどかった。担当者ごとに書き方が違って、『前回何を話したか』を探すだけで時間がかかる。メモレベルの記録が散在していて、引き継ぎのときに使い物にならないことが何度もあった」

 

M&A仲介の営業は、テレアポでの最初の接触から成約まで数ヶ月・場合によっては数年にわたる長期プロセスです。最初の一言が後の商談に影響することもあり、過去のやり取りの精度が案件の質を左右します。「誰が・いつ・何を話したか」の記録がメモレベルでは、ビジネスとして成立させるには限界があります。

さらにサイボウズOfficeとExcelの分断が、情報の全体像把握を妨げていました。ある案件の進捗を確認しようとすると、ExcelとサイボウズOfficeを行き来しながらパズルのように情報をつなぎ合わせる必要がある——この非効率が、一人ひとりの営業生産性に静かに影響を与え続けていました。

 

「サイボウズOfficeとExcelの両方を使いながら仕事をしていると、どちらが最新か、どちらを見ればいいかがわからなくなってくる。情報が分散していると、判断のスピードが落ちる」

 

このS担当者の会社に、私たちはkintoneの導入支援を行いました。

M&A仲介業の「情報分散の壁」——なぜ複数ツールの並立が営業力を削ぐのか

M&A仲介・事業承継という業態には、一般的な営業業務とは異なる特性があります。

ひとつは「案件の超長期性」。最初のテレアポから成約まで6ヶ月・1年・それ以上かかることが珍しくありません。この間のすべてのやり取りが「資産」として蓄積されなければ、担当者が変わったとき・社内で引き継ぎが必要なときに、それまでの努力がリセットされます。

もうひとつは「情報の機密性と精度の重要性」。M&Aに関わる情報は極めて機密性が高く、かつ精度が求められます。「メモレベルの記録」では、後から見返したときに商談の文脈が復元できません。

複数ツールの分断は、こうした業態の特性にとって致命的です。情報が分散していると「今この案件が全体のどのフェーズにあるか」という俯瞰的な把握ができなくなり、タイムリーな判断・的確な提案のスピードが落ちます。

そもそもkintoneとは?M&A仲介・コンサルティング業との相性がいい理由

kintoneは、サイボウズ社が提供する業務アプリ作成ツールです。プログラミングなしで、自社の業務に合わせた管理画面を作れます。

M&A仲介・コンサルティング業との相性が特によい理由は2つあります。

ひとつは「テレアポ〜クロージングまでの長期プロセスを一気通貫で管理できること」。リード管理から顧客化・案件化・商談・稟議・成約という一連のフローを、すべてkintone上で設計できます。「川上業務」から「川下業務」まで途切れることなく情報がつながります。

もうひとつは「外部サービスとのAPI連携による自動記録の仕組みを作れること」。コールシステムとAPI連携することで、商談の文字起こしや要約をkintoneに自動登録できます。営業担当者が手入力で記録する手間をなくし、商談後すぐに精度の高い記録が残る仕組みが実現します。

M&A仲介業のkintone——Excel×サイボウズOffice管理との違いはここ

 

比較項目 Excel+サイボウズOffice管理 kintone導入後
リード〜顧客の情報管理 × Excel・ツールをまたいで分散 ◎ リード管理アプリで一元集約
商談記録の精度 × メモレベル・担当者で書き方バラバラ ◎ コール連携で文字起こし・要約を自動記録
案件の全体像把握 × 複数ツールをつなぎ合わせて確認 ◎ 顧客→案件→活動を1画面で把握
スケジュール・ワークフロー × サイボウズOfficeで別管理 ◎ kintoneに一元化
稟議・社内承認 × 紙・メールベースで非効率 ◎ kintoneワークフローで電子化
引き継ぎ・情報共有 × 属人化・記録が粗い ◎ 全履歴がkintoneに蓄積

 

Excelとサイボウズofficeの「並立」は、それぞれが機能していても情報の連携がないため、全体像の把握に余計なコストがかかります。kintoneはすべての情報が1つのプラットフォーム上でつながることで、判断のスピードと精度を上げます。

プロが設計した「4つの仕組み」

1. 営業基本パッケージ(顧客・案件・活動)——M&A仲介の長期プロセスを構造化する

まず設計したのは営業活動の基盤となる3つのアプリです。顧客管理アプリ・案件管理アプリ・活動記録アプリをリレーションで連携させ、「この顧客のこの案件で、どんな活動がどんな順番で行われてきたか」が1画面で俯瞰できる設計にしました。

M&A仲介では売り手・買い手の双方を管理する必要があります。顧客アプリには売り手候補・買い手候補それぞれの企業情報・財務概況・経営者の意向を記録し、案件アプリでマッチング状況・フェーズ・担当アドバイザーを管理します。案件が進むたびに活動記録が積み重なり、長期案件の「経緯の地図」が自然に出来上がっていきます。

「案件が動き始めてから数ヶ月後に社内レビューが入ったとき、kintoneの活動記録を見せるだけで全員が経緯を把握できた。以前は口頭で説明しながら複数のExcelを開いていた」

2. リード管理アプリ×コールシステム連携——テレアポの記録を「資産」に変える

M&A仲介の川上業務の核となるのがテレアポによるリード育成です。顧客化前のリード情報を専用アプリで管理し、コールシステムとAPI連携させることで、商談後の記録が自動でkintoneに登録される仕組みを構築しました。

コールシステムから自動で取得される情報は2つです。ひとつは「文字起こし」——通話内容のテキスト化です。もうひとつは「要約」——AIが通話内容を要約したサマリーです。これらがkintoneのリード管理アプリのレコードに自動で紐づけられるため、営業担当者が通話後に手入力で記録を残す必要がなくなりました。

「誰が・いつ・何を話したか」がメモレベルの記録から、文字起こしと要約という高精度の記録に変わったことで、リード育成の質が変わりました。数ヶ月後に同じリードにアプローチするとき、前回の会話の文脈を正確に把握した上で話しかけられます。

「前回の通話要約を読んでから電話すると、相手に『ちゃんと覚えてくれているんですね』と言われることが増えた。実際にはkintoneに記録があるだけなんですが、それが信頼につながっている」

3. サイボウズOfficeからの移行——ワークフロー・スケジュールをkintoneに一元化

導入前はサイボウズOfficeでスケジュール管理と社内ワークフロー(稟議・申請)を運用していました。今回の導入でこれらの機能をkintoneに移行し、顧客・案件・活動の情報と同じプラットフォームで一元管理できるようにしました。

スケジュール管理はkintoneのカレンダービューを活用し、商談予定・フォロー予定・社内ミーティングを案件と紐づけて管理します。特定の案件のスケジュールを確認したいとき、案件画面から関連するすべての予定を一目で把握できます。

社内ワークフロー(稟議書・承認フロー)はkintoneのプロセス管理機能で構築しました。承認ルートの設定・承認状況の可視化・承認完了後の次アクションへの自動移行が、紙やメールベースのフローと比べてはるかにスムーズになりました。

4. 稟議書ワークフロー——クロージングフェーズの社内プロセスをデジタル化

M&A案件がクロージングフェーズに近づくと、社内での稟議・承認プロセスが動き始めます。案件の詳細・条件・リスク評価・対応方針を社内で共有し、複数の承認者が段階的に承認していくこのフローを、kintoneのワークフロー機能として設計しました。

案件管理アプリのレコードから直接稟議フローを起動できるため、案件の情報と稟議の内容が一体化した状態で管理されます。「あの案件の稟議、今どこまで進んでいるか」がkintoneを開けば即座にわかります。以前は稟議書の回覧状況を確認するために何人かに声をかける必要がありましたが、その手間がなくなりました。

kintone導入で変わった「3つのこと」

1. テレアポのリードが「資産」として蓄積されるようになった

メモレベルだったリードの記録が、コールシステム連携による文字起こしと要約によって高精度の情報に変わりました。1本1本の電話が「データ資産」として積み重なり、リード育成の質と効率が上がりました。担当者が変わっても、リードとの過去のやり取りがそのまま引き継がれます。

2. 複数ツールをまたぐ確認作業がなくなった

Excel・サイボウズOffice・紙の稟議書という分散した情報環境が、kintone一本に集約されました。「あの情報はどのツールにあるか」という検索コストがゼロになり、案件の全体像を把握するために必要なクリック数が大幅に減りました。

3. 川上から川下まで、kintone一本で業務が完結するようになった

テレアポでのリード発掘(川上)から、商談・案件化・社内稟議・クロージング(川下)まで、すべてのフェーズの情報と業務フローがkintoneに一元化されました。この一気通貫の設計が、M&A仲介という長期・高関与な業態に特に大きな効果をもたらしました。

S担当者の場合、導入後こう変わった

導入から半年後、S担当者はこう振り返ります。

 

「川上業務から稟議書まで幅広い実務をkintone一本で解決できると思わなかった。正直、ここまでカバーできるとは思っていなかった。今は営業活動のすべてがkintoneの中にある」

 

「幅広い実務をkintone一本で」——この言葉は、導入前に「それぞれの業務には専用のツールが必要だ」と思い込んでいたことへの、静かな驚きを表しています。kintoneは業種や業務フローに合わせて自在に設計できるため、「使う側が合わせる」のではなく「業務に合わせて作る」ことができます。その柔軟さが、M&A仲介という特殊な業態にも完全にフィットしていました。

こんなM&A仲介・コンサルティング業に特におすすめです

 

テレアポでリードを育てているが、担当者ごとに記録の質がバラバラで、情報資産として活用できていない

コールシステムとの連携で、通話の文字起こし・要約を自動でkintoneに記録できます。1本1本の電話が精度の高いデータ資産になります。

 

顧客情報・案件情報・活動記録・ワークフローが別々のツールに分散しており、全体像を把握するのに時間がかかっている

kintoneへの一元化で、顧客→案件→活動→稟議のすべてが1つのプラットフォームでつながります。情報を探す時間がなくなり、判断のスピードが上がります。

 

長期案件の経緯把握・引き継ぎが困難で、担当者交代のたびに情報がリセットされるリスクがある

活動記録とリード管理がkintoneに蓄積されることで、担当者が変わっても「経緯の地図」がそのまま引き継がれます。長期案件ほど、この蓄積の価値が高まります。

 

サイボウズOfficeやGoogleWorkspaceなど複数のツールを部分的に使っており、統合・整理したいと感じている

kintoneはサイボウズOfficeのスケジュール・ワークフロー機能の代替として設計できます。既存ツールからの段階的な移行計画もサポートできます。

 

稟議・社内承認フローが紙やメールベースで非効率になっており、案件のクロージングフェーズで承認待ちがボトルネックになっている

kintoneのプロセス管理で稟議ワークフローを電子化し、承認状況のリアルタイム可視化と自動通知を実現できます。

M&A仲介業のkintone導入の流れ

 

STEP 1:ヒアリング(川上から川下までの業務フロー全体の把握) テレアポのリード管理・顧客化のプロセス・案件管理の方法・社内ワークフロー・稟議フローをお聞きします。現在使っているツールの種類と、それぞれで管理している情報の整理を行います。所要時間は2〜3時間程度。

STEP 2:設計(営業基本パッケージ+リード管理+コール連携+ワークフローの構成設計) 顧客・案件・活動の基本3アプリとリード管理アプリの設計を行います。コールシステムとのAPI連携方式の確認・サイボウズOfficeからの移行設計・稟議ワークフローの承認ルート設計をこの段階で決定します。

STEP 3:構築・API連携テスト・移行 各アプリの構築とコールシステムとのAPI連携実装を並行して進めます。文字起こし・要約データがkintoneに正しく格納されるかをテストします。サイボウズOfficeからのデータ移行も対応します。

STEP 4:運用開始・定着フォロー 本番運用を開始します。営業担当者がコール連携の恩恵を実感できるまでの最初の数週間が定着の鍵です。稟議フローの運用ルールの整備もサポートします。全体のスケジュールは2〜3ヶ月程度が目安です。

「川上から稟議まで一本で」——M&A仲介だからこそkintoneが活きる

M&A仲介という業態は、一般的な営業と比べて特殊な管理要件を持っています。案件の超長期性・情報の機密性・多段階の社内承認・売り手と買い手という二面的な顧客管理——これらすべてを「専用システム」で満たそうとすると、高額な導入コストと長い実装期間が待っています。

kintoneはこれらの要件を、柔軟な設計力で現実的なコストとスピードで満たせる数少ないツールです。テレアポのリード管理から稟議書の電子化まで、M&A仲介の業務フロー全体をひとつのプラットフォームで構築できる——S担当者の「思わなかった」という驚きは、まだkintoneを知らない多くのM&A仲介会社に届いてほしい言葉です。

まとめ

  • M&A仲介・事業承継業のExcel×サイボウズOfficeの分断管理は、情報の全体像把握を妨げ営業判断のスピードを落とす
  • 営業基本パッケージ(顧客・案件・活動)でテレアポから成約まで長期案件の「経緯の地図」を一気通貫で構築できる
  • コールシステムとのAPI連携で通話の文字起こし・要約を自動記録し、メモレベルの記録をデータ資産に変えられる
  • リード管理アプリで顧客化前の育成プロセスを構造化し、担当者が変わっても情報が引き継がれる仕組みが生まれる
  • サイボウズOfficeのスケジュール・ワークフロー機能をkintoneに移行し、すべての業務情報を1プラットフォームに集約できる
  • 稟議書ワークフローを電子化することで、クロージングフェーズの社内承認ボトルネックを解消できる
  • 「川上業務から稟議書まで幅広い実務をkintone一本で解決できると思わなかった」——M&A仲介という特殊な業態にこそ、kintoneの設計柔軟性が活きる

 

M&A仲介・事業承継業のkintone導入に興味が出てきた方は、ぜひ一度ご相談ください。現在の業務フローと使用ツールをお聞きした上で、川上から川下まで一気通貫の設計をご提案します。まずは無料ヒアリングからどうぞ。