kintoneを導入する前に押さえるべき7つのポイント|コスト比較から運用方法まで

kintoneは、サイボウズが提供するクラウド型業務改善プラットフォームとして多くの企業で活用されています。

しかし、導入時の検討不足や準備不足により期待した効果が得られないケースも少なくありません。

本記事では、kintone導入を成功に導くための7つの重要ポイントを、コスト面から運用方法まで徹底解説します。 具体的には、システム要件やセキュリティ対策といった技術面の準備から、社内ルールの策定や教育研修の実施まで、導入に必要な要素を網羅的に解説。

本記事を読めば、kintone導入の判断材料と具体的な準備のステップが明確になり、スムーズな導入と運用開始を実現できます。

1. kintone導入前の基礎知識

1.1 kintoneとは何か

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務改善プラットフォームです。 データベース、プロセス管理、コミュニケーションツールの機能を統合し、業務アプリケーションを開発できるのが特徴です。 2011年にリリースされて以来、導入企業数は30,000社を超え、様々な業界で活用されています。

1.2 kintoneの主な機能と特徴

機能カテゴリー 主な特徴
アプリ作成機能 ノーコードでのアプリ開発、テンプレート活用、カスタマイズ機能
データベース機能 データの一元管理、検索・集計、CSV入出力
コミュニケーション機能 スペース機能、通知設定、コメント機能
プロセス管理機能 ワークフロー、ステータス管理、自動化機能

専門的なプログラミング知識がなくても、直感的な操作で業務アプリケーションを作成できる点が、多くの企業から支持されています。

1.3 kintoneが選ばれる理由

短期間での導入が可能で、システム開発費用を大幅に削減できることが、特に中小企業から高く評価されています。 ITmediaの調査によると、導入企業の約80%が3ヶ月以内に本格運用を開始できたと報告しています。 また、以下の特徴も重要な選択理由となっています。

  • クラウドベースで場所を問わない利用が可能
  • スマートフォンやタブレットからのアクセスに対応
  • APIを通じた外部システムとの連携が容易
  • 定期的なアップデートによる機能改善
  • 充実したサポート体制

さらに、業務プロセスの可視化や情報共有の効率化によって、テレワーク環境下での生産性向上にも貢献している点が、コロナ禍以降特に注目されています。

2. kintone導入のメリットとデメリット

2.1 導入による業務改善効果

kintoneを導入することで、企業はさまざまな業務改善効果を得ることができます。以下の表で主な改善効果をまとめています。

改善項目 具体的な効果 期待される数値
業務効率化 Excel管理からの脱却による作業時間削減 工数30%削減
情報共有の円滑化 リアルタイムでの情報更新と共有 会議時間50%削減
ペーパーレス化 書類のデジタル化による管理コスト削減 用紙代70%削減

*期待される数値は一例となります。実際の数値は企業や活用方法により様々です。 特に注目すべき効果として、データの一元管理による業務の可視化が挙げられます。 これにより、業務のボトルネックが明確になり、効率的な改善が可能となります。

2.2 導入時の課題と解決方法

kintone導入時には、いくつかの課題に直面することがあります。 以下に主な課題と解決策を示します。

2.2.1 社内の抵抗感への対応

新しいシステム導入への不安や抵抗感は、段階的な移行と丁寧な研修プログラムの実施により解消できます。 特に、現場のキーパーソンを巻き込んだ推進体制の構築が重要です。

2.2.2 データ移行の課題

既存のExcelやAccessからのデータ移行には、以下の手順で対応します。

  • 現状のデータ形式を把握
  • 移行手順の確立とテスト
  • 段階的な移行の実施(ExcelやCSVデータを一括取り込み可能)

2.2.3 カスタマイズの限界

標準機能では対応できない業務要件については、APIやプラグインの活用、または外部システムとの連携で解決が可能です。 必要に応じて、公式のkintoneパートナーへの相談も検討します。 総合的に見ると、kintoneのメリットは課題を大きく上回りますが、導入時には綿密な計画と準備が必要です。 特に、既存の業務プロセスの見直しと、それに伴う社内調整を慎重に進めることが、成功の鍵となります

3. kintone導入時のコスト比較

kintoneの導入を検討する際、コストの把握は重要な判断材料となります。 初期費用から運用コストまで、詳細に見ていきましょう。

3.1 ライセンス料金の体系

kintoneのライセンス料金は、ユーザー数に応じた従量課金制となっています。

プラン 月額料金(1ユーザーあたり) 最小利用人数
ライトコース 1,000円 10ユーザーから
スタンダードコース 1,800円 10ユーザーから

コースによって利用できる機能に違いがあるのが特徴。 スタンダードコースでは外部サービスの連携やプラグインが利用可能です。

3.2 初期費用と運用コスト

kintoneの導入には、以下のような費用が発生することがあります。(あくまでも一例となります。)

費用項目 概算金額 備考
初期設定費用 300,000円〜 環境構築、基本設定
カスタマイズ費用 100,000円〜 業務に応じたアプリ開発
運用サポート 10,000円〜/月 保守・メンテナンス

初期費用を抑えたい場合は、標準機能のみを使用してスモールスタートすることも可能です。 J-Barrelでは、初期費用が格安の200,000円~対応できます!お客様のご予算に合わせて、開発するアプリ数や保守費用などもご提案させていただきます。 お問い合わせはこちら

3.3 他のグループウェアとの費用比較

主要なグループウェアとの比較を行うと、以下のような特徴があります。

製品名 月額費用(1ユーザー) 特徴
kintone 1,000円〜 ノーコードでアプリ開発可能で費用も安い
Salesforce 3,000円〜 高機能だが費用は高め
サイボウズOffice 600円〜 基本機能に特化

*各製品ごとに様々なプランが用意されています。 kintoneは、独自アプリケーションの開発が可能な点を考慮すると、コストパフォーマンスに優れています。 また、導入後の運用コストを考慮する際は、システム管理者の人件費や教育研修費用なども考慮に入れないといけません

4. kintone導入時の環境

kintoneを導入する際には、推奨される環境があるので、確実な導入のために必要な環境構築のポイントを解説します!

4.1 必要なシステム要件

kintoneを利用するには以下が推奨されています。

項目 推奨環境
ブラウザ Google Chrome最新版、Microsoft Edge最新版、Firefox最新版、Safari最新版
通信環境 光回線以上の安定した高速インターネット回線

 

4.2 セキュリティ対策

クラウドサービスを利用する上で、セキュリティ対策は最も重要な課題の一つです。 kintoneのセキュリティ機能には、以下の主要な要素が含まれています。

  • IPアドレスによるアクセス制限
  • 2要素認証の設定
  • パスワードポリシーの設定
  • SSLによる通信の暗号化
  • アプリごとのアクセス権限設定

セキュリティ対策の実装においては、情報処理推進機構(IPA)のセキュリティガイドラインに準拠した設定を推奨しています。

5. kintoneの効果的な運用方法

kintoneを導入した後、継続的に効果を最大化するためには、適切な運用体制の構築が不可欠です。 ここでは、効果的な運用のために必要な要素を詳しく解説します。

5.1 運用体制の整備

効果的なkintone運用には、明確な役割分担と責任の所在を定めることが重要です。 例えば、以下の役割を組織内で定義し、担当者を決定します。

役割 主な責任 必要なスキル
システム管理者 ユーザー管理、権限設定、セキュリティ管理 ITインフラの基礎知識
アプリ管理者 アプリの作成・更新、フィールド管理 業務プロセスの理解
運用担当者 日常的なユーザーサポート、マニュアル整備 コミュニケーション能力

5.2 社内ルールの策定

円滑な運用のためには、明確なルール設定も必要です。 よく重要なもとしてあるのは、データの入力ルール、更新頻度、アクセス権限の設定基準です。 以下の項目について、具体的なガイドラインを策定することをお勧めします。

  • データ入力の期限と頻度
  • 命名規則(アプリ名、フィールド名)
  • バックアップの方法と頻度
  • 個人情報の取り扱い基準
  • アプリの申請・承認フロー

6. kintone導入成功事例

kintoneの導入成功事例を業種別に紹介します。 各企業がどのように活用し、どのような成果を上げたのかを詳しく解説します。

6.1 製造業での活用例

製造業A社では、kintoneを活用して生産管理システムを構築し、年間約3,000時間の工数削減に成功しました。 従来のExcelベースの管理から脱却し、リアルタイムでの進捗確認が可能になりました。 具体的な改善点は以下の通りです:

導入前の課題 kintone導入後の効果
手作業での進捗管理 リアルタイム進捗確認
情報共有の遅延 即時的な情報共有
データ入力の重複 一元管理による効率化

6.2 サービス業での活用例

サービス業C社では、店舗管理業務のデジタル化にkintoneを採用し、月間40時間以上の業務効率化を実現しました。 具体的な活用方法として:

  • 店舗点検記録のデジタル化
  • 本部と店舗間のコミュニケーション効率化
  • アルバイトシフト管理の最適化

6.3 社内情報共有での活用例

訪問販売会社Kでは、社内の情報共有基盤としてkintoneを導入し、年間約5,000時間の業務時間削減を達成しました。 特に営業部門での案件管理や顧客情報の共有において、従来の紙やExcelベースの管理から脱却し、情報の一元管理による業務効率化を実現しました

活用分野 具体的な改善効果
営業案件管理 商談進捗の見える化
顧客情報管理 リアルタイムな情報更新
社内文書管理 承認プロセスの効率化

 

7. まとめ

kintoneの導入は、業務効率化とDX化推進の重要な一歩となります。 本記事で解説したようなポイントを押さえることで、スムーズな導入と運用が可能になります。

また、導入事例が示すように、業種を問わず幅広い活用が可能です。 環境構築においては、セキュリティ対策を万全にし、既存の基幹システムとの連携も考慮に入れましょう。

kintone導入を検討している企業は、まず業務分析から始め、段階的な展開を心がけることで、確実な成功へとつながるでしょう。

当社は kintone の導入設計から運用改善まで、数多くの企業様を支援してきました。
業務に合わせた最適な構築をご希望の方は、ぜひ当社にお任せください。

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