kintoneによる業務改善事例集|導入から効果測定まで徹底解説
本記事では、サイボウズが提供するクラウドサービス「kintone」を活用して業務課題を解決した成功事例を徹底解説します。
営業、製造、人事、経理など部門別の事例から、小売、製造業、IT業界など業種別の活用法まで網羅しております。
kintoneの導入で工数30%削減、コスト25%カット、顧客対応スピード2倍など、具体的な数値効果があったケースもございますので、ぜひ参考にしてください。
1. kintoneとは?業務改善を実現するクラウドツールの概要
kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務改善プラットフォームです。現在では国内外5,000社以上の企業に導入されています。
プログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で業務アプリを作成できることが最大の特徴です。
業務改善を検討している多くの企業が「既存の業務プロセスの見える化」「部門間の情報共有」「データの一元管理」などの課題を抱えていますが、kintoneはそれらの課題を解決するための強力なツールとして注目されています。
1.1 kintoneの基本機能と特徴
kintoneの基本機能は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
| 機能カテゴリ | 主な機能 | 業務改善への効果 |
|---|---|---|
| アプリ作成・カスタマイズ | ノーコードでのアプリ作成、フィールド設定、プロセス管理 | 業務プロセスのシステム化、データ入力の標準化 |
| コミュニケーション機能 | コメント機能、スペース機能、通知設定 | 情報共有の促進、承認プロセスの効率化 |
| データ活用機能 | グラフ・レポート作成、CSVインポート/エクスポート | データの可視化、分析業務の効率化 |
kintoneの最大の特徴は、IT専門知識がなくても業務部門のスタッフが自らアプリを作成・改善できる点です。これにより、システム部門への依頼や外部ベンダーへの発注なしに、現場主導での業務改善が可能になります。
また、kintoneは柔軟なカスタマイズ性を持ち、JavaScript/CSSによる高度なカスタマイズや、APIを通じた外部システムとの連携も可能です。サイボウズの公式サイトによると、600種類以上のプラグインやサービス連携が用意されており、幅広い業務ニーズに対応することができます。
1.2 業務改善ツールとしてのkintoneの強み
kintoneが多くの企業の業務改善ツールとして選ばれている理由は、以下の5つの強みにあります。
1. 導入スピードの速さ
クラウドサービスであるため、サーバー構築などの初期設定が不要で、契約後すぐに利用開始できます。また、ノーコードでアプリ開発が可能なため、システム開発の工数が大幅に削減できます。導入事例を見ると、多くの企業が数週間から数ヶ月という短期間で本格運用に至っています。
2. 現場主導の業務改善が可能
IT部門に依頼することなく、業務担当者自身がアプリの作成・改修を行えるため、現場のニーズに即座に対応できます。これにより「システム改修の依頼→仕様検討→開発→テスト→リリース」という従来の長いサイクルを大幅に短縮できます。
3. 段階的な業務改善が可能
小規模なアプリから始め、運用しながら徐々に機能を拡張していく「スモールスタート」が可能です。これにより、大規模なシステム刷新に伴うリスクを軽減しながら、着実に業務改善を進めることができます。
4. データの一元管理とリアルタイム共有
従来はExcelやメールで分散管理されていた情報をkintone上で一元管理することで、情報の最新性が保たれ、部門間の情報共有がスムーズになります。また、スマートフォンやタブレットからもアクセスできるため、外出先からでもリアルタイムでの情報確認・更新が可能です。
2. kintoneによる業務改善の成功事例5選
ここからは、様々な部門・業種における具体的な成功事例を5つご紹介します。各事例では、導入前の課題、kintoneの活用方法、そして実際に得られた効果を数値とともに解説します。
2.1 事例1:営業部門の顧客管理プロセス改善
営業部門では顧客情報の一元管理と商談進捗の可視化が業務効率化の鍵となります。kintoneを導入することで、これらの課題を効果的に解決した事例を紹介します。
2.1.1 導入前の課題
食品メーカーA社の営業部門では、以下のような課題を抱えていました。
- 顧客情報がExcelやメール、営業担当者の個人フォルダなどに分散
- 商談の進捗状況が共有されず、上司や他メンバーが現状を把握できない
- 顧客への対応履歴が属人化し、担当者不在時の対応に支障
- 商談機会の損失や重複営業が発生
- 月次・週次の営業報告作成に多大な時間を要する
2.1.2 kintone活用方法
A社はkintoneを導入し、以下のように活用しました。
- 「顧客管理」「商談管理」「活動履歴」の3つのアプリを連携させた統合CRMを構築
- スマートフォンからも商談内容をリアルタイムで入力・共有できる環境の整備
- 商談ステータスを「見込み」「提案中」「受注」「失注」などで管理し、進捗を可視化
- 顧客ごとの過去の提案内容や交渉経緯を一元管理
- 営業担当者のスケジュールとkintoneのカレンダー機能を連携し、予定管理を効率化
- 商談確度や金額に基づいた自動的な売上予測レポートの生成
2.1.3 導入効果と数値実績
kintone導入から6ヶ月後、以下の効果が得られました。
| 評価項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 営業報告書作成時間 | 週平均5時間 | 週平均1時間 | 80%削減 |
| 顧客情報検索時間 | 平均8分/件 | 平均1分/件 | 87.5%削減 |
| 商談機会の損失 | 月平均5件 | 月平均1件以下 | 80%以上削減 |
| 営業担当者一人当たりの月間商談数 | 平均12件 | 平均18件 | 50%増加 |
| 受注率 | 23% | 32% | 39%向上 |
さらに、定性的な効果として「顧客対応の質の向上」「部門間の情報共有がスムーズになった」「営業戦略の精度向上」などが報告されています。
A社の営業部長は「以前は顧客情報や商談状況を把握するだけで半日かかることもありましたが、今では数分で全体像を把握できます。営業活動に集中できる時間が増え、結果として売上向上につながりました」とコメントしています。
2.2 事例2:製造業における生産管理の効率化
製造業では生産計画の策定から在庫管理、品質管理まで多岐にわたるプロセスの効率化が課題です。kintoneを活用して生産管理を改善した事例を見ていきましょう。
2.2.1 導入前の課題
電子部品製造業のB社では、次のような課題を抱えていました。
- 生産計画と実績管理がExcelベースで行われ、複数の工場間での情報共有が困難
- 資材発注から納品、検収までの進捗状況が把握しづらい
- 生産ラインの稼働状況や不良品発生率などのデータ収集・分析に時間がかかる
- 部門ごとに異なるシステムを使用しており、データの二重入力が発生
- 生産状況の変更があった際のリアルタイムな情報共有ができない
- 紙ベースの報告書による工程間の引き継ぎで情報伝達ミスが発生
2.2.2 kintone活用方法
B社はkintoneを以下のように活用して生産管理プロセスを改善しました。
- 「生産計画」「原材料管理」「製造指示」「生産実績」「品質管理」の各アプリを連携
- バーコードリーダーと連携し、製品の進捗状況をリアルタイムで記録・共有
- 各生産ラインの稼働状況をダッシュボードで可視化
- 不良品発生時に写真を添付して報告できる仕組みを構築し、迅速な原因分析を実現
- 生産計画の変更があった場合に関係者へ自動通知する仕組みを実装
- APIを活用して基幹システムとkintoneを連携させ、データの二重入力を解消
サイボウズ製造業向けkintone活用事例を参考に、自社の製造プロセスに合わせたカスタマイズを行いました。
2.2.3 導入効果と数値実績
kintone導入から1年後、以下の効果が得られました。
| 評価項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 生産計画作成時間 | 月平均40時間 | 月平均15時間 | 62.5%削減 |
| 在庫管理の工数 | 週平均12時間 | 週平均3時間 | 75%削減 |
| 納期遅延率 | 8.2% | 2.1% | 74.4%改善 |
| 不良品率 | 3.5% | 1.8% | 48.6%改善 |
| 生産リードタイム | 平均12日 | 平均8日 | 33.3%短縮 |
生産管理責任者は「以前は各工場の状況把握だけで丸一日かかることもありましたが、今ではワンクリックで全体の進捗が把握できます。データに基づいた意思決定が可能になり、生産効率が大幅に向上しました」とおっしゃっています。
2.3 事例3:人事部門における採用プロセスの最適化
人材採用プロセスは、多くの企業にとって重要かつ複雑な業務です。応募者情報の管理から面接調整、評価集約までをkintoneで一元化した事例を紹介します。
2.3.1 導入前の課題
IT企業のC社では、急速な事業拡大に伴い採用活動を強化していましたが、以下のような課題がありました。
- 求人サイト、エージェント、自社HP経由など複数の応募経路の情報を統合管理できていない
- 応募者の選考状況や進捗が人事担当者のメールや個人フォルダに分散
- 面接官のスケジュール調整や面接結果の共有に多大な時間と手間がかかる
- 採用データの分析ができず、採用戦略の改善に活かせない
- 内定者のフォローアップが属人化し、入社前の辞退が発生
- 採用業務の負荷が特定の担当者に集中
2.3.2 kintone活用方法
C社はkintoneを導入し、以下のように採用プロセスを再構築しました。
- 「応募者管理」アプリで全応募者情報を一元管理し、選考ステータスを可視化
- 「面接日程調整」アプリと連携し、候補者と面接官のスケジュール調整を効率化
- 「面接評価」アプリで評価基準を統一し、複数面接官の評価を集約
- 採用チャネル別の応募数、内定率、入社率などの分析ダッシュボードを構築
- 内定者フォローアップの状況と次のアクションを共有する仕組みを整備
- 採用サイトのフォームとkintoneを連携し、応募情報の自動取り込みを実現
サイボウズ人事部門向けkintone活用事例を参考に、自社の採用フローに合わせてカスタマイズしました。
2.3.3 導入効果と数値実績
kintone導入から9ヶ月後、以下の効果が表れました。
| 評価項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 採用業務の工数 | 週平均30時間 | 週平均12時間 | 60%削減 |
| 応募者への初回連絡までの時間 | 平均3営業日 | 平均1営業日以内 | 67%以上短縮 |
| 面接日程調整の所要時間 | 1件あたり平均45分 | 1件あたり平均10分 | 78%削減 |
| 内定辞退率 | 28% | 12% | 57%改善 |
| 採用決定までのリードタイム | 平均35日 | 平均22日 | 37%短縮 |
C社の人事部長は「以前は採用業務に追われるばかりでしたが、kintone導入後は戦略的な採用活動に時間を割けるようになりました。データに基づいた採用チャネルの最適化により、採用コストも25%削減できました。」と語っています。
2.4 事例4:経理部門の経費精算フロー改善
経費精算は多くの企業で負担となっている業務のひとつです。紙やExcelベースの処理からkintoneによるデジタル化で大幅な効率化を実現した事例を紹介します。
2.4.1 導入前の課題
全国に支店を持つ不動産会社D社では、以下のような経費精算に関する課題を抱えていました。
- 紙の経費申請書と領収書の提出、押印プロセスによる承認フローの長期化
- 経費データの転記作業による入力ミスや二重計上のリスク
- 経費精算状況の可視化ができず、未処理案件の把握が困難
- 経費の部門別・費目別分析に多大な労力を要する
- 領収書の紛失や不備による再提出依頼が頻発
- 経費精算のルールが統一されておらず、支店ごとに運用が異なる
2.4.2 kintone活用方法
D社はkintoneを導入し、以下のように経費精算プロセスを改善しました。
- 「経費申請」アプリを構築し、申請から承認までのワークフロー機能を活用
- スマートフォンから領収書を撮影してそのまま申請できる仕組みを導入
- 承認ルートを役職や金額に応じて自動的に設定するルールを実装
- 経費カテゴリや勘定科目をプルダウンで選択できるようにし、入力ミスを防止
- 部門別・費目別の経費集計を自動化し、月次レポートを自動生成
- 会計システムとのAPI連携により、承認済みデータの自動連携を実現
サイボウズ経理部門向けkintone活用事例を参考に、自社の経費精算フローに合わせてカスタマイズを行いました。
2.4.3 導入効果と数値実績
kintone導入から6ヶ月後、以下の効果が表れました。
| 評価項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 経費精算処理時間(経理部門) | 月平均80時間 | 月平均25時間 | 68.8%削減 |
| 経費申請から承認までの平均日数 | 平均7.5日 | 平均1.8日 | 76%短縮 |
| 経費精算の不備による再提出率 | 22% | 5% | 77.3%改善 |
| 経費データ集計・分析時間 | 月平均12時間 | 月平均2時間 | 83.3%削減 |
| 紙・印刷コスト | 年間約120万円 | 年間約20万円 | 83.3%削減 |
D社の財務部長は「kintone導入により、経費精算業務の効率化だけでなく、経費データの分析が容易になったことで、無駄な支出の特定や予算計画の精度向上にもつながりました。社員からも、経費精算の手間が大幅に減り、本来の業務に集中できるようになったと好評です」と評価しています。
2.5 事例5:プロジェクト管理の見える化と進捗管理
複数のプロジェクトを同時進行で管理する際の情報共有と進捗管理は大きな課題です。kintoneを活用してプロジェクト管理を効率化した事例を紹介します。
2.5.1 導入前の課題
ウェブ制作会社E社では、以下のようなプロジェクト管理の課題を抱えていました。
- プロジェクト情報がExcel、メール、チャットツールなど複数のツールに分散
- プロジェクトの進捗状況がリアルタイムで把握できず、遅延に気づくのが遅れる
- メンバーのタスク状況や負荷が可視化されていないため、リソース配分が最適化できない
- 顧客との共有資料やコミュニケーション履歴が散在し、引継ぎが困難
- プロジェクトの課題や懸念事項の共有が不十分で、同じ問題が繰り返し発生
- プロジェクト完了後の振り返りや知見の蓄積が行われていない
2.5.2 kintone活用方法
E社はkintoneを導入し、以下のようにプロジェクト管理プロセスを改善しました。
- 「プロジェクト管理」「タスク管理」「課題管理」「顧客対応履歴」の各アプリを連携
- ガントチャートプラグインを活用し、視覚的なスケジュール管理を実現
- タスクの依存関係や優先度を設定し、クリティカルパスを可視化
- プロジェクトダッシュボードでリアルタイムの進捗状況、リソース配分、リスク状況を一目で把握できる環境を構築
- 顧客との打ち合わせ内容や要望変更の履歴を時系列で記録・共有
- プロジェクト完了時の振り返り情報を蓄積し、ナレッジベースとして活用
サイボウズ公式:プロジェクト管理アプリの活用例を参考に、自社のプロジェクト管理フローに合わせてカスタマイズしました。
2.5.3 導入効果と数値実績
kintone導入から8ヶ月後、以下の効果が表れました。
| 評価項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| プロジェクト進捗会議の所要時間 | 週平均120分 | 週平均45分 | 62.5%削減 |
| プロジェクト納期遅延率 | 32% | 8% | 75%改善 |
| プロジェクト状況把握のための情報収集時間 | 日平均60分 | 日平均10分 | 83.3%削減 |
| プロジェクトメンバーの情報共有時間 | 日平均45分 | 日平均15分 | 66.7%削減 |
| プロジェクト利益率 | 平均18% | 平均26% | 44%向上 |
E社のプロジェクトマネージャーは「以前は複数のプロジェクトの状況把握だけで一日の大半を費やしていましたが、kintone導入後はダッシュボードで瞬時に全体像を把握できるようになりました。問題が発生しそうなプロジェクトに早めに手を打てるようになり、納期遅延が大幅に減少しました。」と評価しています。
これらの成功事例からわかるように、kintoneは様々な部門や業務プロセスの改善に大きな効果をもたらします。各社の事例に共通するポイントは、業務の可視化、情報の一元管理、自動化による工数削減、そしてデータに基づいた意思決定の実現です。
3. まとめ
本記事では、kintoneを活用した業務改善の事例と導入プロセスについて詳しく解説してきました。営業、製造、人事、経理、プロジェクト管理など多岐にわたる部門での成功事例から明らかなように、kintoneは「ノーコード」で柔軟にカスタマイズできる強みを持ち、業種を問わず多様な業務課題を解決できます。
導入において重要なのは、明確な課題設定と目標の共有、段階的な展開、そして継続的な改善サイクルの確立です。kintoneは、外部サービスとの連携やプラグイン活用によりさらなる機能拡張も可能です。業務のデジタル化が急務となる今、kintoneは業務効率化とデータ活用の両面から企業の競争力向上に貢献する強力なツールといえるでしょう。
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